まだ続く「黄金時代」   

まだ続く「黄金時代」「喜寿婚パーティ」から早くも2週間が過ぎていったが、私たちの心から、あの日の記憶、あの日の感動、あの日の喜びは、いささかも衰えていない。

それどころか、日がたつに従って、それはますます心の奥深くにしみいるように、私たちの時間を彩ってくれている。

もしかしたら私たちは、この記憶と喜びだけで、これから先楽しく暮らしていけるのではないか。

そんな思いさえするこのごろのふたりなのだ。

 

まだ続く「黄金時代」この2週間、夕方から夜にかけては、「ミユキハウス」で過ごすことが多い。

以前は二日に一度は外食していたのが、「ミユキハウス」でふたり向き合って、あるいは並んでの食事が主流になった。

その理由として、私の酒量が極端に減ったこともあるが、それよりもあのパーティの感度があまりにも大きく、どこか素敵な店でおいしい料理を食べたり、うまい酒を口にするよりも、ふたりであの日のことを思い出し、語り合っている方がよほど楽しいからなのだ。

夕方、自室でのさまざまな用件、といっても実際はなにもしていないようなものだが、時間が来るとプーリーの浜散歩に出て、「エスメラルダ」にちょっと寄って、ノーアルコールビール(!)などを少したしなんで、それから部屋でプーリーの食事をセットして出かける。というより、もうひとつの住まい「ミユキハウス」に帰る。

まだ続く「黄金時代」「ミユキハウス」ではみゆきが夕食の用意などをしているので、それを待つあいだ私はテーブルに置かれているサイン帖を開く。

パーティで、集まってくれたひとたちに気軽に「なにか」描いてもらったスケッチブック。もう何度も何度も眺め、読み、にこにこし、頷いたそのページを、私はまた眺める。

私がいないときにはみゆきが、ピアノのおさらいや、レッスンの合間に、繰り返しページを開いていたことが容易にわかる。

 

その「ミユキハウス」の部屋には、ピアノの上、テーブルの上、コーナーキャビネットなどあらゆるところに花が飾られている。

部屋は花に埋もれている。

みんなパーティでお祝いにもらった花々で、頂いたままの姿で飾ってあるものも、花束が大きすぎてふたつみっつに分けたもの別々の花束から抜いて組み直したものなどあるが、どの花にもあのひとたちの気持ちが込められているようで、部屋にいる私たちは絶えずお祝いを受けている気になるのだ。

 

 

まだ続く「黄金時代」 まだ続く「黄金時代」 まだ続く「黄金時代」

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まだ続く「黄金時代」 まだ続く「黄金時代」

 

まだ続く「黄金時代」酒抜き、あるいはワイン一杯だけ、ビール一本だけの食事を終え、私とみゆきはソファに並んで坐り、膝の上にスケッチブックを開く

あの日の、あのときのシーンが次々に浮かび上がってくる。

このひとは、こんなことをいってくれた。

このひとは、おめでとうといいながら涙ぐんでくれた。

このひとは、私たちに強引にキスさせた。迷惑では決してなかったけれど。

このひとは、もう酔っていて、歌でもうたいだしそうだった。

ひとりひとりの笑顔が思い出され、私たちも笑顔になり、みゆきはときには泣き笑いになる。

至福のひとときが続いている。

 

まだ続く「黄金時代」 まだ続く「黄金時代」

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まだ続く「黄金時代」 まだ続く「黄金時代」

 

そんなスケッチブック、サイン帖とは別に一枚のイラストというかデザイン画がある。

本人の了解を得ていないので、由美さん、としかいまは書けないのだが、自身のブランドも持ち、第一線で活躍しているファッションデザイナー。

この由美さんが葉山に移ってきたのはごく最近のことだが、品のあるダルメシアンのリードを引いて、ひとり浜を歩くその姿は、おしゃれなひとの多い葉山の海岸でもひときわ異彩を放ち、ひと目を集めていた。

といって、犬をきっかけにして近寄り、話しかけたがるひとの多い浜でも、由美さんにはそんな馴れ馴れしさを拒否する毅然とした気配があり、ほとんどのとき、ひとりだった。 

そんな由美さんを見て、フランスかイタリアの映画のシーンのようだと思った私は、知り合った頃のみゆきを思い出していた。

以前のこのページにも、近著「葉山 喜寿婚の浜」でも書いた話だが、当時のみゆきを見て、イタリア映画のようだ、と感じたものだ。

 

「あのひととお知り合いになりたいね」

みゆきとそういい合っていた。

すると願いが通じたのか、ある夕方、私とみゆきが2匹の犬と共にいた「エスメラルダ」のテラスに、由美さんが立ち寄ってくれたのだ。ダルメシアンと一緒に。

自然に話をするようになった。

「素敵なファッションの方で、絶対に名のあるデザイナーさんだと思っていました」

とみゆきがいえば、

「元モデルさんだということは、ひとめでわかりましたよ」

と由美さんもいう。

このようなときが幾度か重なり、由美さんは私たち、というよりみゆきとすっかり仲良しになり、そしてパーティにも来てくれたのだった。

パーティで、由美さんはサイン帖とは別に一枚のデザイン画を描いて、

「みゆきさんのイメージです。犬の種類が違うけどごめんなさいね」

といってくれた。

私のイメージ画はないが、

「わたし、男性のデザイン画は描けないの」

と、またごめんなさい。

 

由美さんは、ある約束をしてくれた。

「葉山のような浜で、さりげなく、優しく、優雅で、気品があって、というようなファッションを考えていたんですよ。みゆきさんと知り合って、そのイメージができ上りそう」

近く発表しますから、ぜひ着てください、という。

「発表する本にも、みゆきさんに出ていただきたいわ」

みゆきは、本当にうれしそうに笑って頷いた。

トップモデルの血が騒いだのだろうか。

由美さんは、さらにいう。

「そのファッションに合わせて、テリーさんにも登場していただきたいわ」

ま、これはお世辞だろうということくらい、私にもわかる。

 

といったことどもの思い出、喜びが入り混じって、私たちの「黄金時代」は続いている。

 

まだ続く「黄金時代」

 

このような話、というか、「葉山 喜寿婚の浜」の本をベースに、私とみゆきの出会いからこれまでのストーリー。ふたりの心の流れなどを、ラジオ番組でおしゃべりすることになった。

 

まだ続く「黄金時代」湘南ビーチFM 78.9MHz

6月28日(水) 10時40分~11時

番組「DAILY ZUSHI HAYAMA」

 

で、パーソナリティの森川いつみさんと私とみゆきがおしゃべりします。

ぜひ聴いてみてください。FM電波の圏外でも、インターネットで聴くことができますよ。

 

まだ続く「黄金時代」

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